一睡もしないまま、夜が明ける。

カズトはとうとう帰ってこなかった……。

翌朝、玄関の物音にベッドから飛び起きる。

カズトは玄関に腰を下ろし、靴も脱がずそのまま座っていた。

「カズト……」

「……ごめん」

私は黙って頭を振る。

カズトの背中がとても淋しそうに、小さく見えた。