つらい初めての夜が、私の記憶に鮮明によみがえり、体が恐怖に震える。

「……お願い。信じて……」

私の小さな呟きに、カズトの手が止まる。

「………っくしょぉ!!」

私の頬スレスレに打ち込まれたカズトの拳がベッドにのめり込み、私の体が弾む。


彼は上着を掴むと、そのまま外に出て行ってしまった。