仕方が無い……。

君を抱きしめたくて、自然と手に力が入って、傷口が開いてしまうんだ。

君は、じっと僕の手を見ていたかと思うと、いきなり僕の手を引いて車道に出る。

「手当てをするだけだから……」

止まってくれたタクシーに、僕と一緒に乗り込む。