「カズトが、不安がってるの。トオルく……藤枝君のことで」

彼を『カズト』と、そして僕のことを『藤枝君』と君は言う。

その呼び方に、片岡と君の数ヶ月を見せつけられる思いがした。


「じゃぁ……、さようなら……」

君が左手を差し出す。