痛々しかった……。

それだけに、ハルナを陵辱した片岡を憎んだ。

同時に守りきれなかった僕自身も。


産んでとは言えない……

だけど、堕ろしてとは決して言えない……

無力な僕の腕の中で、零れ落ちていく命を僕は嫌と言うほどたくさん見てきた。


だけど、君に片岡との子を産んで欲しくないともう一人の僕が叫んでいる。


僕はこの苦しみの中で、本当にいっぱいいっぱいなんだ。