「ト、トオル君!手!どうし……」

彼女の唇を包帯した手の甲でそっと優しく塞ぐと、僕は頭を横に振る。

「ただいま……ハルナ……。遅くなって、ごめん……」

僕は涙に震える君の細い肩を抱き寄せる。