ハインツはくるりと僕の方を振り向くと、両肩をぽんと叩く。

「お任せ下さい。必ず、1ヶ月後にはお戻り頂けますね?」

僕は力強く頷き、「ありがとう。ハインツ」と手を差し出す。

「その手じゃ、握手は出来ませんよ」

ハインツは包帯でグルグル巻きになっている僕の手を見ながら、顔をくしゃくしゃにして笑った。