本当にその通りだった。

その瞬間、頭の中が急にさぁーっとクリアになり、冷静になれたんだ。

「ハインツ、すまない。僕はとても未熟でしかも我儘な人間だ」

「そ、そのようなことは決して!!って?どうされました?急に??」

「……僕を、今すぐ日本に帰して貰えないだろうか?」

「はっ?一体何を?」

「今が、大変な時期である事は十分認識しているよ」

「でしたら、なぜそんな事を?!」

ハインツの声は抗議を含んでいた。が、僕は構わず続けた。