「……それで、トールの頬に渾身の平手打ちを食らわしたと言う訳なんですね?」

僕の頬にくっきりと残るミセス・マクダウェルの手形をハインツは痛そうな目で見つめている。

「すっ、すみません!私ったらなんてことを!」

僕はわーっと泣き崩れるミセス・マクダウェルの手を取り、首を振る。

「そんなことないですよ。

ありがとう……ミセス・マクダウェル。

お蔭で僕の頭はすっきりとしたんだ」