僕は腕を組み、じっとパソコンの画面を見つめながら、ひとつの単語が頭に浮かぶ。

「まさか……。いや、案外、そうかもしれない……」

僕は今まで、一つだけ試していなかった単語を口にする。

「トム、『Thomas Ketchum』と打って貰えるかな」

トムは「ははっ」と失笑する。

「こんな重要な書類に?有り得ないよ、それは……」

それでも、トムは自分の名前を入力する。

……ファイルは全て開いた。

トムの頬には、一筋の涙が伝い、彼はじっと画面を見つめると「父さん……」と呟いた。