彼の美丈夫なその体躯は、痩せぎすだったケッチャムと異なっていた。

これが本当に彼の息子なのか?

僕は不信感を抱きながら後に続く。

トーマスは、階段を上りながら、肩で笑っている。

「しかし、傑作だ。あの『神に愛されし男』と誉れ高いMr.フジエダが、母に押し倒されて愛されちゃってるとはね」

僕より1つ年下だと聞いていたトーマスは肩を震わせながら、僕の前を一段一段登っていく。