「医者の不養生とは良く言いますがねぇ。

Mr.フジエダほどムチャクチャをする医者はいませんでしたよ」

担当医は僕の胸に聴診器を当てて、今までの恨み事をグチグチとこぼす。

「お蔭で僕の腕が悪いからあなたの退院が延びているともっぱらの噂だ」

「すみません。で、今日は退院できそうですか?」

「いいですよ。今度は『何でMr.フジエダを退院させてしまったんだ』と看護師達に恨み言を言われそうですがね」

僕は笑いながら礼を言い服を着ると、すぐに私物をまとめて病室を飛び出した。