真っ白い髪に、うち窪んだ目をした彼が、ピストルをこめかみに突き付けながら窓の外に浮遊して出て行く。

「ケッチャム!!ケッチャム!!!」

僕は叫びながらベッドから飛び起きた。

しーんと静まり返った病室に、折から降り始めた雨音が忍び込んできていた。

僕はすっかり暗くなった辺りを見回し、ふーっと深く溜息を吐いた。