玄関から去るタクシーを追おうと走り出した僕の前に、母が手を広げて立ちはだかる。 そして、右手を振り上げると僕の頬を打った。 「その体で、どこに行こうと言うの?!フラフラじゃないの!」 母の目からは涙が溢れていた。