「父さん!母さん!どうして?!」

今日は2人とも学会に出席していたはずだ。

「お前こそ、どうしたんだ。まだ退院出来ないはずだが?

それなのに、なぜこんなところにいるんだ?」

「それは……」

タクシーの運転手がシートに手を掛け、気だるそうな声で話し掛けてくる。

「どうすんの?オニイサン、乗るの?乗んないの?」