再びベッドの近くに歩み寄ってかずにぃの顔を覗き込む。

良かった、かずにぃが寝ていてくれて。


余計な心配をさせなくて済んだもの。


よく寝ているみたいだからこのまま寝かせて、帰ろう。


ここには来なかったことにして……。


「あまり無理しないでね。かずにぃ」


かずにぃの髪をそっと撫で、立ち上がろうとした時、不意に左手を捕まれ、私はベッドに倒れこむ。