通常、M&Aの案件をまとめるには半年は掛かる。

僕がどんなに殺人的に働き、スタッフを総動員しても3ヶ月は最低ラインだ。

だが、グレアム・マッカーシー率いるC&H社の買収にはもはやその猶予が無かった。

以前からC&H社の買収の話はバンカー経由で入っていたが、僕は難色を示していた。

丁度その頃、知り合いのCPA(公認会計士)から秘密裡に、C&H社が30億ドルの支出を設備投資費として不正に計上しており、これによりEBITDA(イービットダー:財務分析上の概念の一つ)が水増しされている可能性があるとの情報を得ていたからだ。