戸はキィと小さな軋みを立てて開く。



「……かずにぃ」




かずにぃは、ベッドの上でお布団も掛けないで、そのまま身体を投げ出して熟睡していた。


「かずにぃ、風邪ひくよ」


そう言えば……


引越しの際に、手前の開き戸にブランケットをしまってたことを思い出す。


かずにぃを起こさないようにそっと移動し、戸を開けてブランケットを引き出すと、寝ているかずにぃの上にかける。