引越しの手伝いで一度しか行った事がない場所だったけど、記憶と住所を頼りに何とかかずにぃの住むマンションに、辿り着く。

学生には不相応な位、近代的な立派なマンションを目の前にして、私はちょっと気後れしてしまう。

かずにぃの部屋のナンバーを打ち込み、その手が止まる。


何を躊躇してるの?

おばさんはかずにぃからの連絡を待ってる。


勇気を振り絞ってチャイムを押す。