車は牧歌的な街の風景を抜け、次第に摩天楼が四角い空を形作り始めた都会へとやって来た。


それでも、ハルナの心はここには戻っていない。


ハルナ、今、何を考えてる?


誰を、想って……。


オレは何も聞かず、機械的なウグイス嬢の言うがままにハンドルを切る。