「ハルナ、お前の膝辺りン所にさ、手前に引けばパカパカ開くのがあるんだ。

そこから、サングラスを取ってくれないか?」

ハルナはダッシュボードを手前に引くと、奥からサングラスを掘り出し、しばらく眺めていたかと思うと、……自分に掛けやがった!

「あ!こら!てめっ!よこせよ!!」

「……色が良く見えないね」

「ったり前だ。色ついてんだから。っつーか、運転しづらい。よこせ!」

「ふ~ん……」

それからハルナの顔からは笑顔が消え、遠い目で心を浮遊させる。