中途半端なブランチを食ってる最中に、ハルナが俺に言いにくそうに話しかける。

「あの……今日のデートコース、私に任せて貰えるかな?」

「いいけど、どこか行きたいところがあるのか?」

「……うん。ちょっと、ね」

「どこだよ」

「それは、内緒」

「『内緒』じゃ、そこに行けないだろ?」

ハルナはこくんと頷くと、俺の車のカーナビのマニュアルを貸してほしいという。