それでもどうにかこうにかピノが奏効し、その日の夕食はハルナが腕を揮ってくれた。

オレは大いに感嘆した。

「すげ。トンカツ!おっ!!味噌汁、うまい!」

ハルナの手料理のひとつひとつを箸に取り、幸せをかみ締めながら口に運ぶ。

だけど、凄く腹が減っていたために、彼女が1時間掛けて作った料理をオレはたったの10分でタライあげてしまう。

「もっと、味わって食べて欲しかったのに……」

ハルナは箸でウィンナーをブスッと指しながらぶすったれる。