オレは玄関で抵抗するハルナの腕を掴むと、引き寄せ、抱きしめる。

「分かった。ごめん!オレが悪かったよ!

興奮するとお腹の子に良くないっって!とにかく落ち着け!」


オレがリビングに目をくれると、口も目も真ん丸になった北尾と目が合う。

忘れてた。

こいつの存在……。

「……と、言う訳だから今日は帰ってくれ。悪いな、北尾」

放心状態の北尾は「なんだよ……それ……」と、ぼそりと呟くとカバンを肩から掛け、フラフラと玄関まで歩き、靴を履く。