「北尾、帰るってさ」

「はぁ?!俺、そんなことひとっことも言ってないぜ」

「かずにぃ、どうしたの?急に……」

ハルナはオロオロしながらオレと北尾を代わる代わる見ている。

「ハルナ!お前は黙ってろ!」

オレはムカムカする気持ちをぶつけるのに精一杯だった。

「何、突然キレてんだよ……」

北尾は肩を竦めるとおどけたように笑う。

それが余計にオレの癇に障った。