矢部教授は深刻な顔で点滴の残量を確認していた。

ハルナとアカンボがいるのに冗談じゃない!

起き上がろうとして、右腕を見てぎょっとする。

「なんだよ!?この腫れ上がった腕は?」

ゼミの4回生の先輩が申し訳なさそうに項垂れる。

「あ、ごめ~ん。採血に失敗して、パンクしちゃった」

「オレの腕で練習しないで下さいよ、先輩。で、病名は!?」