天を待つ間、俺と由里子さんはコーヒーを飲んで話していた。


「健夫くん、天の事、よろしくね?
あの子はほんっと、意地っ張りで負けず嫌いでおまけに人見知りでしょ?!
でもね、信じると決めたらとことん信じるし
心を開いた相手に対してはどこまでも真っ直ぐな子よ。
健夫くんは天とは付き合いが長いからわかってると思うけどねっ(笑)
それと、親の私が言うのもなんだけどあの子は正人にそっくりで本当美人でしょ?(笑)
なのにあんな無愛想で飄々として見せるから健夫くんのファンの子たちに何されてもシレーッとしてるとは思うけど
気にかけてくれたら嬉しいな」


由里子さん……
天の事が本当に大切なんだな


「…はい。 でも天よりも俺は自分をなんとかして抑えないと、です(笑)
天はいつだって俺の気持ち考えてくれるし、どんな男に声かけられても、一切動じない態度なんです。
それでも俺妬きっぱなしです(笑)」


「ふふふ(笑) こんなイケメンにそんな事言わせるなんて天も隅に置けないわねっ」



2人で話込んでると、天が降りてきた



俺らに向かってニコッと笑いかけると



「おまたせっ」
と言った。



ヤバッ!



あの笑顔はたまらん。



さっき、由里子さんは天は正人さん似と言ってたな。
確かに、天は正人さんに似てる。
正人さんは爽やかな感じというより長身で涼しげな印象のイケメン。
今でもあんなに一目を惹く容姿なんだから若い時はそれはそれはだ。
由里子さんもとても美人だが
童顔で優しい印象だ。


ただ、笑った時の天の顔は由里子さんに良く似てる。
普段は美しい容姿が、笑うと幾分幼くなる。


それは何度見ても胸ん中ギュッと鷲掴みにされたようになって胸が熱くなるんだ

ーー健夫サイドおわりーー