ー明夫サイドー

俺が10才になる年に天と健夫は生まれた


うちの両親も、天の両親も容姿が凄く良かったからか
俺も、健夫も、天も小さい頃から整った容姿で、地域でも有名だった。


天は小さい頃から俺の前だけでは
よく笑う素直でかわいい女の子だった。
もちろん今でもとても良い子だ。


年頃になった天は誰もが目を引く美人になっていた。
それでも俺に見せる笑顔は、年齢よりも少し幼く見えてとても可愛かった。


そんな天が可愛くて仕方なくて
天を虐める健夫を怒ったり
健夫が排除しきれなかった男どもの追っ払いをしたり
健夫のせいでの女どもからの嫌がらせも
見つけては排除してきた。


それでも天はいつも笑顔だった。
心の中では何かしら感じてるかもしれないが
そういう嫌がらせやしつこく迫る男への態度は強く
ブレのない子だった。


そんな天がはじめておかしくなったのは昨年のストーカー被害にあった時。


目に見えない恐怖とずっと戦っていた。
ゴミが荒らされたり
手紙がポストに投函されたり
誰かに後をつけられたりしてるのを


はじめは全員知らなかったんだ。


天はその細い身体の中にずっと溜め込んでいたんだ。


なんにもないような顔して周りに悟られないようにしてた


それがある時、その男に襲われかけた所を親父が見つけて発覚した。


その頃には天はもうかなり追い詰められていたんだ