明夫くんの車を降りて
私達はマンションへ向かった


なんか思い詰めるような顔をしてる健夫


チラ見しながら気にかけてるんだけど


表情の読めない顔


でもしっかりと私の手は掴んだままだし
怒ってるわけではなさそう


そんなふうに考えてると部屋の前についた


鍵を開けて部屋に入った瞬間



ギューーーッと抱き締められた



「……健夫??どうしたの??
何かあった???」


「……お前こそ、平気なのか??」


「なにが?」


「だからアニキ……」


「え?」


「だからアニキのこと…」


「は?」


「もうっ!俺に言わせんなよな!
……アニキの事ずっと好きだったじゃねぇか……大丈夫か??」



健夫
私の事心配してくれてたの!!


あんたってやつは!!


「アニキの事また好きになったりとかする? それでも、俺はお前と離れらんねぇし、アニキは既婚者だ。子どもまでいる。
……だから俺で手をうっておけ」



んもう!
私はそんなに信用ならないかなぁ〜


きちんと言葉にして伝えてるつもりなんだけどな。


でもなんか健夫の気持ちがわかる気がする。


いままではわからなかったけど


私はそれくらいもう健夫に夢中ってことなんだけどな〜