これはヤバい。
さすがの俺でも焦った。
急いであやのもとへ行き、手首を掴んで強引に教室から連れ出した。
「えっ!?ちょっ…、
隼人っ……!?」
離してなんて言葉、聞こえない。
必死に離そうとする小さな力なんて、感じない。
行かせてなんてあげない。
俺意外を見るなんて、許さない。
楽しそうに笑う顔も。
少し拗ねた顔も。
泣いた顔も。
真っ赤な顔も。
甘い声も。
すきって言うその言葉も。
他の誰かに見せるなんて。
聞かせるなんて。
触らせるなんて。
そんなの全体、やだ。
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