「はぁー。」



「あんた何回ため息ついたら気が済むのよ。今日何回目?」




「だ、だって!お弁当忘れちゃったんだよ…?」




「お金あるんでしょ?食堂で食べたらいいじゃない。」




「あるけどさぁ、今日はお弁当の気分なんだもん…。」




そう。私、篠原襟花は今日お弁当を忘れてしまいました。





「「キャーーっ。」」




廊下から女の子たちの歓声が。




どうしたんだろ…





「すみません。篠原襟花、いますか?」





「襟花ちゃん?ちょっと待ってね、襟花ちゃん、蓮くんが呼んでるよぉー!」





クラスメイトの甲高い声が耳に響く。





「はーい、今行く!」





あの歓声は…蓮だったんだ。