「ある日、二人はいつものようにバレないところで会っていた。でも、女の屋敷の人に見つかってしまった。」


「それでどうなったの?」


「女の父親が男に言ったんだ。"お前なんかがわしの娘と釣り合うわけがない。"ってさ。」


「酷い…」


二人は口を揃えて言った。


確かに酷い話だ。

「そしてその男は殺されたんだ。」


「そして男を殺されたすぐ後女は
"来世も出会って二人幸せになるように"って願って池に身を投げた。」


橘は泣き始めた。


「あれ、おかしいな…涙が急に…」

俺は言った。


「この話は、橘と"関原 仁"の前世。
つまり、お前たちは恋人同士だったんだ。今涙が出てるのも橘の "魂" が覚えてるからだよ。」

「私の前世…」

前世と聞いてもピンとこないかな。