あの日から一ヶ月が経った9月。

私たちは一緒にお昼ご飯を食べて放課後も一緒に過ごしている。

黒崎君に過去の事、力のことを話したら前より気持ちが楽になったんだよね。

でもまだ笑えない。

この日も一緒にお昼ご飯を食べていた。

「黒崎君。」

「そろそろ呼び方変えない?」

黒崎君と話すことは慣れた。

一緒にいると落ち着く。

「何て呼べばいいの??」

「頼って呼んで。」

黒崎君も私のこと下の名前で呼んでるもんね。

「わかった。」

「ねえ。璃希。」

「どうしたの?」

いきなりなんだろうか。

「まだ笑えないの?」

笑う…

笑い方がわからない…

「頼…」

「ん?」

頼に教えて欲しい。

「どうしたら笑える?」

そう言うと頼はケラケラ笑い始めた。

「そんなの簡単だよ。」

「あんまり笑ったことないから…」

「ほら、俺みたいに口角あげてニコってしてみ?」

言われたままにしてみた。

「引きつってるけど、笑うってそうだよ。」

「楽しい時、嬉しい時自然と笑いが溢れる。」

「私笑えるかな…」


「よし。俺が璃希を笑顔にする!」

「ありがとう。頼。」