「私もね…」

初めて自分の過去について話してみたいと思った。

彼なら信じれる。

直感でそう思った。

「お母さんとお父さんを事故で亡くしてるの…」

「そんなのか?」

「うん…親戚の家に引き取られたけど愛情なんてない。」

「俺も愛情なんて感じたことないな…」
笑いながら言った。

「その頃からかなこの力がついたのは…」

「生まれつきじゃないの?」

「違うの。いきなり…」

「辛かったな」

そう言うと大きな手で頭をくしゃくしゃってしてきた。

「璃希?泣いてもいんだよ?」

その言葉で何かが切れたみたいに涙が溢れてきた。