「でも、良い事ばっかじゃないんだよな…」

やっぱりそうだよね…

「俺には母さん譲りの力があんだよ」

「力?」

力って…

もしかして?

「もしかして璃希もそうなんじゃいか?


「えっ?」
びっくりした。

やっぱりそうなんだ。

「俺は人の心が読める。だから今まで上手くやってこられた。人と接するときも相手が何を望んでいるかが分かったからさ。」

「相手の気に食わない事をしたら聞こえるんだよね。」

私と同じだ…

「なんで私にもその力があるって分かったの?」

「俺の母さんも人の心が読める。でも、俺の心は読めない。俺も母さんの心は読めない。」

「つまり、同じ力を持ってる人の心は読めないってこと。」

「璃希を見ても読めなかったからさ。」

これで分かった。

今までなんで黒崎 頼の心が読めなかったのかが。