「ほらほら。何れでもいいから食え。」

優しく笑って言うと、またパンをほおばった。

子供みたい。

「じゃあ、これで…」

クリームパンを取った。

「たくさん食えー！」

「ありがと…」

こんなに優しくしてもらったこと初めて。
少し嬉しかった。

人として認められた気がした。

「あー。食った。一緒に食べると美味しいだろ？」

はははと笑っている。

「そうだね…」
確かに美味しい。心地いい。

「なあ、璃希。一つ聞いてもいいか？」

黒崎 頼はいきなり真剣な顔になって言った。

「う、うん…」

何だろう…

何を聞かれるんだろう…

心臓の鼓動が速くなった。