またいつもの癖で黒崎 頼 の心を読んでみた。

でも、読めない…
「なんで…」
つい言葉に出てしまった。

「ん?どうした?」
なんて答えよう…

私は固まって黒崎 頼をずっと見ていた。

「俺の顔になんかついてる?」

「あ、ごめんなさい…」
我に返って謝った。

この空間に耐えきれなくて私は荷物を持って図書館の出口に向かって走った。

「もう帰っちゃうの?」
出口の手前で話しかけてきた。

「う、うん。」
何で私なんかに話しかけてくるの?

「明日の放課後も来てもいい?」

早くこの場から立ち去りたくて、
「いいよ!」
それだけいって逃げるように帰った。