真砂はさほど男女の行為に興味があるわけではない。
 己の欲望処理なだけなので、女子の技など気にしたことはなかった。

 故に誰がどんな感じだったとか、全くといっていいほど覚えていないのだが、逆に妙な印象を受けた覚えもない。
 あきに対しても、別に下手くそだ、などと思ったことはないのだ。

「でも、あたしは女技に向かないんでしょう?」

 涙を拭いながら言うあきに、やっと真砂は合点がいった。

「ああ、そのことか。女技には向かんだろうな。お前、すぐに気を失うし。俺とやってたって、最後まで起きてたことないだろう」

 ずばりと言う。
 やはり真砂には、相手の気持ちを考えて遠回しに言う、という心遣いはない。
 あからさまな物言いに、あきは真っ赤になった。

「捨吉の言い分では、お前は他の女子よりも、随分落ちやすい、とのことだったな。訓練したが、心配だとか」

「と、頭領……」

 さらに追い打ちをかけるように、あきにとっては恥ずかしいことを、しれっと言う。
 こういうことを何とも思わない真砂と二人ならともかく、今は長老もいるのだ。
 案の定、長老は、ほぉ、と呟き、面白そうにあきを窺っている。

 自分が見放されるほど下手くそなわけではない、というのはわかったが、これ以上掘り下げられると、捨吉とのことまで話が及んでしまう。
 すでに及んでいるような気もするが。