やはり、以前の真砂とは違う。
 以前のままだったら、使えなくなった女子など、無慈悲に打ち棄てていた。

 乱破の女子の女技は当たり前であり、基本なのだ。
 それを使えず、且つ武芸も男に劣る女子など、何の役に立とう。

 使えるものは、徹底的に使う。
 使えなくなったら用済み。
 そういう考えで、今まで来た。

 そもそも真砂は、徒党を組むこと自体を嫌っていたのだ。
 積極的に党を滅ぼすようなことはしないが、維持するための努力もしない。
 人員を使い捨てていって、それで滅ぶのならそれまで、という考えだった。

 だが今は、党の維持も考えている。
 何が何でも党を守るという気はないだろうが、人員を大切にするようになったというのだろうか。

 それはおそらく、『人員』が『仲間』に変わったからだろう。
 それを感じるたび、幼い頃から真砂を見てきた長老は、嬉しく思うのだ。

「ま、しばらく養生するよう言ってある」

 真砂が言ったとき、あきが夕餉の材料を持って入ってきた。

「あき。身体の具合はどうじゃ? お前さんも、無理せず養生したが良いぞ」

 長老の言葉に、あきは横に食材を置いて手を付いた。

「ありがとうございます。たまに痛みますけど、大丈夫です」