「……何じゃ、お前か。妹はなかなか面白かったがなぁ、ちょっと壊れてしもうたようじゃ。またお前を可愛がってやろうかのぅ」
突き出た腹を掻きながら、家老が言う。
千代は少し考え、あきを扉のほうへと押しやった。
そして自分は、家老のほうへと近づく。
「それなら、妹は今すぐ追い出してくださいませ」
甘えるように家老に擦り寄りながら、千代が言う。
家老が、ちょっと驚いた顔をした。
「何故じゃ?」
「だって、わたくし、嫉妬で狂いそうでしたもの。わざわざ牢を抜け出してきたのだって、ご家老にお会いしたくて」
「そうじゃ。お前、何故ここにいる。門番は何を……」
「そんなこと、いいじゃありませんか。それよりも、さっさと妹を追い出してくださいませぇ」
片手で家老に抱き付き、もう片方の手は家老の腕を掴んで己の足の間に導く。
途端に家老は、相好を崩した。
「おお、家臣よりも、わしがいいか。よしよし」
結構な歳のくせに、体力は有り余るのか、家老は千代を押し倒した。
が、千代は単を押し広げようとする家老の手を拒むように、合わせを握りしめた。
「嫌ですよ。わたくしのお願いを聞いてくださらないと」
突き出た腹を掻きながら、家老が言う。
千代は少し考え、あきを扉のほうへと押しやった。
そして自分は、家老のほうへと近づく。
「それなら、妹は今すぐ追い出してくださいませ」
甘えるように家老に擦り寄りながら、千代が言う。
家老が、ちょっと驚いた顔をした。
「何故じゃ?」
「だって、わたくし、嫉妬で狂いそうでしたもの。わざわざ牢を抜け出してきたのだって、ご家老にお会いしたくて」
「そうじゃ。お前、何故ここにいる。門番は何を……」
「そんなこと、いいじゃありませんか。それよりも、さっさと妹を追い出してくださいませぇ」
片手で家老に抱き付き、もう片方の手は家老の腕を掴んで己の足の間に導く。
途端に家老は、相好を崩した。
「おお、家臣よりも、わしがいいか。よしよし」
結構な歳のくせに、体力は有り余るのか、家老は千代を押し倒した。
が、千代は単を押し広げようとする家老の手を拒むように、合わせを握りしめた。
「嫌ですよ。わたくしのお願いを聞いてくださらないと」