「ゆいが言ってたけど、乱破の男は普通の男より、上手なんだって。でもその上手いっていうのも、よくわかんないし」

「へ、へぇ。俺にもわかんないよ」

「あたし、まだ何となく怖いのよね。恐怖が先に立っちゃって、すぐに気を失っちゃうの。こんなんじゃ駄目よね。男よりも先に意識を失うなんて、閨に侍っても任務にならないわ」

「頭領でも?」

「と、頭領のときが、一番酷いかも。恐怖と緊張で」

 気付いたら、大抵真砂はいないのだという。
 ちょっと、捨吉は苦笑いした。

「まぁ……頭領は慣れてるだろうし。じゃあまだ、技という技は習ってないんだ?」

「う~ん……。一度だけ、清五郎様に教えて貰ったことはあるんだけど、でもやっぱりあたしがこんなんだから、清五郎様も呆れてたわ」

 ふぅ、と息をつくあきの肩に、捨吉は手を回した。

「……俺じゃ勉強にならないと思うけど……」

 そう言って、あきを抱き寄せる。
 ぴく、とあきの身体に力が入ったが、すぐに捨吉に身を任せるように力を抜いた。

「あたし、歳の近い人に抱かれたことないの」

「俺もだよ」

 言いながら、二人は積み上げられている藁の上に倒れ込んだ。