何が違う、と言われても、はっきりとはわからないが、纏う空気の種類が違う、というのだろうか。
以前のような刺々しい感じではなく、何と言うか、もっと冷たいというか。
以前が『触れれば切れそう』という感じならば、今は『壊れそう』というのだろうか。
物悲しさを湛えた空気のような気がするのだ。
「それが、あの女の子を失ったからだっていうの?」
あきが水を向けると、捨吉は小さく頷いた。
「多分だけどね。頭領も、何となく落ち着かないんじゃないかなぁ。今はまだ、里の再建に忙しいから、あんまりゆっくり思い出すこともないだろうけど。だから、気持ちに変化もないんだと思う」
「確かに、あの頭領と、かなり仲良しみたいだったものね」
「頭領は認めないだろうけどね」
そう言って、二人とも軽く笑い合う。
それから、ざっと捨吉は、深成のことを話した。
細川屋敷の指令時に、正室に仕えていたこと。
正室を殺した真砂を殺すために、里まで来たこと。
小さいナリで己に斬りかかってくる深成を、真砂が気に入ったこと。
そして深成は、真田信繁の娘だったこと。
黙って聞いていたあきは、一通り聞き終えると、はぁ、と息をついた。
以前のような刺々しい感じではなく、何と言うか、もっと冷たいというか。
以前が『触れれば切れそう』という感じならば、今は『壊れそう』というのだろうか。
物悲しさを湛えた空気のような気がするのだ。
「それが、あの女の子を失ったからだっていうの?」
あきが水を向けると、捨吉は小さく頷いた。
「多分だけどね。頭領も、何となく落ち着かないんじゃないかなぁ。今はまだ、里の再建に忙しいから、あんまりゆっくり思い出すこともないだろうけど。だから、気持ちに変化もないんだと思う」
「確かに、あの頭領と、かなり仲良しみたいだったものね」
「頭領は認めないだろうけどね」
そう言って、二人とも軽く笑い合う。
それから、ざっと捨吉は、深成のことを話した。
細川屋敷の指令時に、正室に仕えていたこと。
正室を殺した真砂を殺すために、里まで来たこと。
小さいナリで己に斬りかかってくる深成を、真砂が気に入ったこと。
そして深成は、真田信繁の娘だったこと。
黙って聞いていたあきは、一通り聞き終えると、はぁ、と息をついた。