それから深成は、あきからこれまでのことを聞いた。
あの戦の後、真砂が自ら頭領として皆を導くようになったこと。
しばらくは皆と母屋で暮らしていたこと。
若干心を開いたかのようにも見えるが、やはり本質的には変わっていないこと。
そして、左腕には、決して誰も触れさせないこと。
「あたしは、あの頭領の左腕は、特別なんだってずっと思ってた」
天井を見ながら、あきが言う。
「元々人の世話になんか、ならないお人だってことはわかってたけど、左腕に関してはね、何と言うか、特に想いが強いっていうか。あたしはね、深成ちゃんは、あの戦で死んじゃったんだって思ってたの。しばらくはそれだけで、頭領の怪我と深成ちゃんを結び付けて考えることはなかったんだけど、あるときふと思ったの。もしかして、深成ちゃんが死んじゃったときに、頭領も怪我をしたんじゃないかって。だって、頭領はお強いから、普通の人なら死んじゃうような攻撃を受けても、かすり傷で済むはずよ。そう考えたら、深成ちゃんが死んじゃっても、頭領が怪我だけで済んだっておかしくないわ。まぁあれほどの怪我には驚いたけど」
「確かに真砂、あのときまで、かすり傷一つ負ってなかった」
あの戦の後、真砂が自ら頭領として皆を導くようになったこと。
しばらくは皆と母屋で暮らしていたこと。
若干心を開いたかのようにも見えるが、やはり本質的には変わっていないこと。
そして、左腕には、決して誰も触れさせないこと。
「あたしは、あの頭領の左腕は、特別なんだってずっと思ってた」
天井を見ながら、あきが言う。
「元々人の世話になんか、ならないお人だってことはわかってたけど、左腕に関してはね、何と言うか、特に想いが強いっていうか。あたしはね、深成ちゃんは、あの戦で死んじゃったんだって思ってたの。しばらくはそれだけで、頭領の怪我と深成ちゃんを結び付けて考えることはなかったんだけど、あるときふと思ったの。もしかして、深成ちゃんが死んじゃったときに、頭領も怪我をしたんじゃないかって。だって、頭領はお強いから、普通の人なら死んじゃうような攻撃を受けても、かすり傷で済むはずよ。そう考えたら、深成ちゃんが死んじゃっても、頭領が怪我だけで済んだっておかしくないわ。まぁあれほどの怪我には驚いたけど」
「確かに真砂、あのときまで、かすり傷一つ負ってなかった」