門を出ようとした時………。
真緒くんから手を掴まれた。
七美と真緒くんが私の片手づつ持ってる為身動きが取れない。
「…美雪華…」
切ない声で名前を呼ばれた時、不覚にもドキッとしてしまった。
ただ、驚いたから…
そういい聞かせるしかなかった。
「…あの時は本当にごめん!許してもらえないのは承知だ!だけど…もう一度俺と付き合って…」
人前とか関係なく叫ぶ真緒くん。
陽悠美は、引退してるとは言え…。
元総長なのに…こんなにも弱気な真緒くんを見たくなかった。
もちろん告白の返事はNG。
「…ごめんなさい。私、戀愛と付き合ってるし…もう直ぐ同棲もするの…」
そう言って、真緒くんの手を離した。
これで良かったんだ。
あの時、戀愛を選んだ弱い私。
全てから逃げた私。
もう戻る事が出来ない。
香奈さんがいるじゃない。