「結局何しに来たの、私と一緒にいるところなんて見られない方がいいよ。私も見られたくないし」
私は冷たく言って、わざと突き放した。
そうすれば、こんな気まぐれは終わるだろうと。
「最近朝食も夕食も食べないで、部屋にこもりきりだからさ。良子さんと何かあったんじゃないのか？」
「なにそれ、心配してるみたいなこと言わないで」
「……心配してるんだけど」
しゃがみこんで、私の顔を覗き混むようにした比呂くんから、思わず顔を背ける。
「やめてよ……今更。優しくなんてしないで」
溢れてしまう、もう。
私はこらえきれなくなって顔を覆った。
「円……何があったのか教えて」
「……ごめ……なさい」
「どうして謝るの？」
比呂くんはひたすら優しくて、私はよけいに申し訳なくなる。
