「いってきます。」

「心!忘れ物ない?!受験票もった??お昼は?」

朝から母さんはこんな感じ。

「受験票は持った。昼は家帰ってくるから用意しといて。んじゃ。」

「頑張ってくるのよ!」

「我が弟よ。合格してこい。」

「お兄ちゃん頑張ってね!」

言われなくても頑張りますってね。

昨日父さんに言われたんだ。

「心。夜遅くまでご苦労さん。ついに明日だな」

「あぁー。」

「緊張してるか?」

「してないって言ったら嘘になるな。正直実感がないって感じ。」

「父さんもそんな感じだったよ。でもお前ならやれるよ。なんたって父さんと母さんの子だからな。明日お見送りはできないが会社から応援してるからな」

素直にこの時の父さんの優しさが嬉しかった。

「ありがとう。俺、頑張るよ」

「頑張れ!ほどほどで寝ろよ。明日寝坊したら話にならんからな。おやすみ」

「わかったよ。おやすみ。」

父さんは微笑んでそっとドアを閉めていった。