「始め!」

試験監督の先生の号令で始められたテスト

私は頭のいい学校を選ばないであえて中間くらいにしておいた。

なぜそうしたかって?

受からなかったら聖サリーヌだって脅されたのー

お父さん即OKした割に前期落ちたら聖サリーヌだからなって

ごきげんよう生活に戻るのは絶対嫌だからあえて受かる学校にしたってわけ

キーンコーンカーンコーン♪

「やめ!」

『まーまーできたね。ってか余裕だね
ふぁー疲れた疲れた』

なーんて思ってたら隣にいた男の子と目があった

『やばっ!そらせそらせ』

なかったことのように外を見るが
男の子が話しかけてきた

「あのー。」

ギクッ

「ごめんなさい!」

とっさに謝って泉に電話した

あっ泉っていうのは私の専属の運転手さんね

プルルルル。プルルルル。ガチャ

「はい。お嬢様。お迎えなら先ほどの門のところに停めてありますよ」

「わかった。今行く」

ガチャ。

私はあの男の子に引き止められないように全速力で走った。

「早かったですね。どうぞ」

「はぁー。はぁー。ありがと」



「テストはどうでしたか?」

帰り道泉が効いてきた。

「もちろん完璧に近いわ」

「さすがですね。ところでどうしてあんなに走ってたんですか?」

「!!
なんでもないわよ」

「さようでございますか」

そのあと泉は何も話さないでくれた。