いつもは今日も退屈な1日が始まるなって感じなのに今日はなんか寂しい気持ちがある。

そう、今日は卒業式。

小、中、高エスカレーター式で上がれるこの学校。

でも小、中、高みんな学校名が違う。

そこがここのめんどくさいところの一つでもある。

いつもの時間に家を出ていつもの時間に学校に着く。

「お嬢様。いってらっしゃいませ」

「毎日送迎ありがとうね。いってきます」

泉に手を振って私は校舎へ歩いて行った。


ガラガラー。

「おはよ。真凛」

この子は唯一私がMeyouを交換している東雲 空。

まーこの学校の中で一番信用している子。

空も私と同じでこの学校の“ごきげんよう”が嫌い。

それに友達みんなを下の名前で呼んだり下の名前で呼ぶくせにさんをつけなきゃいけない。

下の名前で呼ぶっていうことは親しいんじゃないの?って私は思う。

空もその件には同感らしい。

だから私達は“ごきげんよう”じゃなくて“おはよう”にしてる。

あと名前もさん付けなんかしない。


「おはよ。空」


そう言って自分の席に着く。

今日は卒業式だからみんないつもより早い。

卒業アルバムに名前とメッセージを書きあって楽しそうにやってる。

まーここにいるほとんどが高校も同じでしょ?って感じ。

そんな卒業アルバムにメッセージ書いてもらわないと忘れるほど離れないくせに。

なーんて冷めてると一人の子がやってきた。

名前は確か……安西 鈴音。

ハキハキ&リーダー系。

まークラスには必ず一人はいる子だよね。

「ごきげんよう。真凛さん。あなたも書いてくれない?学校違うんだよね?」

「ごきげんよう。えー喜んで」

必要最低関わらないって決めてるからほんとやめてほしい。

っていうかなんで学校の話知ってるの?

怖いわ〜この子。

とりあえず適当に書いといた。

「ありがとう♪離れても友達だよ?たまには遊ぼうね!」

「そうだね。よろしく」

ぶっちゃけ遊ぶ気もないし友達って思ったこともない。



まー適当にやろう。


なっがーい卒業式が終わってみんな記念写真を撮りあってる。

どーでもいいから早く帰って洋服を選ばないと。

なーんて考えてたら空がやってきた。

「真凛♪写真撮ろ?あと他校いってもうちは親友だと思ってるからね?」

空はみんなとは別。

最初はちょこまかついてくるからうざかったけどいくら跳ね返してもついてくる。

そんな性格に私は負けた。

今では嫌じゃなくなってる。

「もちろん撮る撮る♪空なら何枚でも撮るよー♪」

「やったー!はいっチーズ」

カシャっ。

「これ真凛のトーク画にするー♪なんかあったらいつでも連絡してね?」

「うん。ありがと。お互いデートとかできるといいね?」

「本当だよねー。いい人いたら紹介してね?」

「もっちろん!じゃ、泉来てるからいくね?」

「うん!またね」

空と別れて泉の元へ向かった。