今日は待ちに待った合格発表の日。
まー俺は相変わらず心配性の母さんのせいで塾で猛勉強させられてた。
だから早く合格の2文字を母さんに見せて解放されたかった。
「心!起きなさい起きなさい!!」
階段の下から母さんの大声がした。
とっくの前に起きてますよってね。
時刻を見ると【7:40】
まだまだ寝てても平気だけどまぁ朝からうるさいのはごめんだから下に行くか。
「よかった。起きたのね。おはよう」
「はよ。朝飯いいや。いってくる」
「母さんも行きたいんだけどー…」
「来なくていいから受かったらちゃんと報告するし」
「わかったわ。落ちてても連絡してね。塾のコマ数増やしてもらうから」
「勝手に落とすな。んじゃいってきます」
「いってらっしゃい」
自転車を漕ぎながらずーっと考えていた。
もし受かったら普通に嬉しい。
あの子にも会えるかもしれない。
っていうか会わなければいけない気がする。
そんなこと考えていたらいつの間にか着いていた。
「うわーすげぇー人」
時間を見るとちょうど【8:30】
発表が終わるのが9時。
まーそりゃ人も多いわけか。
なーんて考えながら体育館前に進んでいった。
俺の番号は《0828》
0805
0809
0813
0825
0828
・
・
・
「よし!あった」
俺はその番号を写真に撮り母さんと父さん、姉ちゃんに送った。
とりあえず会議室に向かって手続きを済ませた。
そういえば会ってないなーなんて考えながら来た道を戻っていると門に一際目立つ女の子がいた。
その子も誰かを探すようにキョロキョロしていた。
そしてそれが誰だかわかった。
隣のお嬢様だった。
名前も知らないその子を俺は勝手にお嬢様と呼んでいた。
声をかけるか迷っていたらまた目が合ってしまった。
もうこうなればかけるしかないよな。