4年と少しぶりに聞いた、光ちゃんママの声。
それは、電話越しでも変わっていなくて……。
でも、なにも変わっていないわけじゃないはずなの。
だって、……だって4年だよ?
365日が4回。
うるう年だってその間にはある。
ばかにできない時間を過ごして、そうしたら……なにかは変わる。
絶対に、時が人の背をどこかへと向けて押してしまう。
それは、人間の摂理。
だからこそ、変わっていることが怖い。
そして、なにも変わっていないことも怖い。
そんな矛盾に悩んで、苦しんで。
仁葉はどうしようもなく怯えているの。
……ばかみたい、だよね。